蕨拠点設立一周年記念特別記事(1/2)
2012年7月25日 TCG全般昨日を以って、職場の部署移転に対応した蕨拠点(自宅)設立と移動完了より、ちょうど一周年を向かえました。
それを記念し、ハードコアな記事をここに展開する事にします。(全二部構成)
※内容は蕨とかとあんまり関係ありません。
■確率計算.
私がMTGをプレイしている時によくあるのが
「(先手で)初手に土地2枚。3ターン目には3枚無いと絶対ダメな手札だけど、土地、来るよね…?!キープかな…」とか
「相手はおそらくカウンター系呪文8枚積み。1ターン前のデュレスでは相手の手札にカウンター系のカードは無かったけど、このターンに手札に来ていないかな?大丈夫かな??」みたいな状況。
…まあ、ヌルプレイヤー故に例えが稚拙でアレですが、つまり「一か八かの勝負の場面に遭遇する」ことが多々有ります。
MTGじゃなくても、パチスロで回している台の止め時とか、いろいろとそういう勝負時は、訪れます。
皆さんも、そんな場面に度々遭遇している事と思います。
ある有名な警察官は言っていました。「人生はギャンブル」と。
ただし、大体の場合は単純な丁半賭博ではありません。
何かしらの情報に基づき「何分の幾つで何が起こるのか」の計算、つまり「確率計算」を行う事で、結論を求めることになりますね。
■プレイング.
MTGの様な、ゲーム理論的表現で言うところの「不確定不完全情報ゲーム」に部類するゲームをプレイする際について。
まずその「不確定(シャッフルされたデッキからのドロー等)」と「不完全情報(相手の手札の内容等)」の内容を外角的な情報により「想定」します。
そして次に、想定に基づいた「可能性」を考慮し、意思決定を行う。
これは、最善のプレイングを実現する要素の一つです。
■可能性.
MTGにおける「可能性」は様々な観点によって構成されますが、やはり数値化された情報から推測される「確率」の算出、まさに確率計算を行うことで求めるという事態が発生することも珍しくはありません。
先に挙げた例も、まさしくこれに該当します。
自分のライブラリーから任意のカードを引く「確率」。
相手の手札に、特定のカードが入っている「確率」。
その他沢山。
それらの情報を瞬時に模索出来る能力がつけば、MTGをはじめとして、様々な場面で活用できるに違い有りません。
■可能性と可能性の戦い.
対戦ゲームといえば、コンピューターゲームやテーブルゲームを問わず様々なものがあります。
そして高度な確率計算を実現する事が最善のプレイングに繋がる、という部分がどの程度の割合で勝利に結びつくかもまた、そのゲームよって様々です。
まず、逆に全く確率計算を必要としない極端な例で言えば、将棋や囲碁があります。ひとことで言えば「運の要素が全く無いゲーム」。
すべての情報は公開され、すべての行動はプレイヤーの自由意志によって選択できますから、運の要素が限りなくゼロなので、「確率」は考慮しなくてよいのです。
次に、その確率計算を「大幅に」戦略に反映して戦うゲームがあります。
その一つが、「バックギャモン」です。
そう、クソ長いうえに、よくわからない前置きを用意しましたが、ようするに私はバックギャモンの事を書こうとしているのです。
■すごろく?
バックギャモンとはどんなゲーム?と聞くと、よく返ってくる答えとしては「すごろくだよ(キリッ」となります。
本当の意味では凄く正しいのですが、的確ではないと私は思います。
その理由として、普通の人の持っている「すごろく」のイメージと、見た目がかけ離れすぎていて、スゴロクと言われても全くピンと来ないのです。
「すごろく」といえば、ゴールに向かって一直線に、沢山の升目があり、振ったダイスやルーレットの目に従い駒を進める。そこで止まった升目に書いてある内容に基づいた事象が発生する。
確率…というより、運そのものが大きな割合を占めるゲーム。それが、大体の人の認識であり、本質であると思います。
ちなみに、こういったものは正確には「絵双六(えすごろく)」といいます。
バックギャモンは、そういった単純な趣向のボードゲームではありません。
しかし、かといってそこまで複雑なルールがあるわけではありませんが。
■では、バックギャモンとは?
私があえてバックギャモンはどんなゲームかと聞かれたら、その答えは「サイコロの目によって戦略的に自分の石を移動させあう対戦ゲーム」とします。
ちょっと長い様ですが、見た目で要素を掴みづらいゲームなので、これくらいで丁度良いとおもってます。
バックギャモンは確かに、サイコロ(ダイス)を使います。
そして、そのダイスに従って駒(石)を進めます。
しかし、絵双六との大きな違いとしては、自分の石は1つではありません。
15個あります。
二つのダイスを振り、その目に従い任意の二つの石、もしくは一気に一つの石を2回進ませます。
ここに、戦略性の礎となる要素があります。
■すごろく.
尚、月並みな紹介をしますと、本当の意味ではバックギャモンは「すごろく」で問題ありません。
バックギャモンの元となるゲームは、日本には1200~1300年前(飛鳥、平安時代)には伝わっています。
この時に伝わったゲームを「盤双六」と云う事になります。(細かいルールは現在のバックギャモンと違います)
なので、「バックギャモン≒盤双六=すごろく」なのです。
現在放映中の大河ドラマ「平清盛」でも度々プレイしている場面が出るので、一部で話題になっていますね。
ちなみに、皆さん御馴染みの絵双六は、盤双六より後の発祥ということになっています。
■バックギャモンの今.
我が国の盤双六は、江戸時代まで人々に親しまれたポピュラーなボードゲームであった様です。
日本人は、潜在的にバックギャモンプレイヤーとしての基礎能力が遺伝子レベルで保持されていると言っても過言ではないかもしれません。
(近年の世界大会でも、日本人プレイヤーが優勝したり、上位に入賞しています)
その後盤双六は日本の歴史から(?)姿を消しますが、海外ではバックギャモンは衰退しかけた後に復活。
今現在でも欧米を中心に盛んにプレイされています。(プレイヤー人口は公称3億人)
世界四大ゲーム(チェス、バックギャモン、トランプ、ドミノ)に入る程なのです。
バックギャモンの大きな大会は、
・モナコのモンテカルロ、
・アメリカのラスベガス、
・デンマークのコペンハーゲン
で行われ、大会のTV中継も行われているそうです。
優勝賞金は1000万とも言われております。
今、日本においては南関東を中心に、毎週末どこかしらで「例会=定例会」が行われる程度には盛んにプレイされています。
南関東在住であれば「バックギャモンをプレイしたいけど、場所も相手も無い」という状況はありません。
私が参加した例会や、その他の例会のレポート等を見ますと、プレイヤーの層としては、全テーブルゲームの中でも「異端」と言っていいほどの、幅広さ、バランスの良さです。
さすがに若年層(~十代)は少数派ですが、二十台~五、六十台までがメインの層といった印象。
男女比も7対3あるいは6対4といった印象です。
■バックギャモンの概要と戦略.
先に書いたとおり、バックギャモンは二つのダイスを振り、その目に従い任意の二つの石、もしくは一気に一つの石を2回進ませます。
なお、ぞろ目を引くと、その目に応じた移動を4回行う事が出来る様になります。
ダイスは確かにランダムですが、動かす石は数ある中から自分で選ばなくてはならないのです。
これを、
・相手と交互に、
・同じ盤で、
・互いに逆行しながら、
・自分の石を使って相手の石が進めないポイント(ブロックポイント)を作ったり、
・相手の石を取ったり(ふりだしに戻す=ヒットする)しながら、
・すべての石をゴールに導くまで繰り返す。
それが、バックギャモンです。
そこで必要な要素として、「確率計算」が出てくるわけです。
・どの石を動かせば、相手の石にヒットされる可能性が低いのか
・どの石を動かせば、ブロックポイント(同じマスに自分の石が二つ以上存在する)を高確率で造れる配置に近づけられるのか。
等など、ダイスの目による様々な可能性を模索しつつ、リスクを最小限に留めたり、先のゲームを有利に進める為の配置を構築します。
■点数を競う、倍にする.
バックギャモンの勝敗は、勝利時に得られる点数(ポイント)が先に一定値(3~25の間で決める)へ到達した方が勝ちになるのが一般的です。
普通に勝つと1点です。特殊な勝ち方で、2点、3点と上がります。
このポイントを更に、ゲーム中任意のタイミング(自分のターン)にて「倍」にする(ダブルをかける)事を提案出来ます。
ダブルをかけられた方は、それを承諾してゲームを続けるか、拒否して最小点で負ける(降りる)事を選ばなくてはなりません。
ダブル成立後は、ダブルをかけたほうが勝っても負けても、ようするにどちらが勝ってもスコアは倍です。
また、この後は、ダブルをかけられた方にのみ更にダブルをかける権利が与えられます。更に倍で、4倍になります。
ここに、ゲーム全体の見通しを立てる能力が求められます。
このままゲームを続けることが有利になるのか不利になるのかを予測できれば、適せんダブルをかけたり、それに乗らずに最小限の点数での負けを選ぶ等、このシステムを有効に働かせる事が出来るのです。
■バックギャモンを通して得られるスキル.
以上までに挙げたとおり、バックギャモンに於いては
・次に相手や自分が出すダイスの目の「確率」に応じた最適な位置への石の移動、
・ゲームを続行する事が自分にとって有利か不利かの見極め
が最も重要なファクターを占めています。
つまり「確率計算」と「展開予測」。
ようは、バックギャモンをとことんまでプレイし、それらを極限まで高める事で、他のテーブルゲームはもとより、さまざまな生活に弾みをつける事が出来る。そして、めちゃくちゃ面白い!!
だから皆もやろうぜ!
と、いう事。
■第一部、完.
以上で、第一部を終了します。
明日の第二部では、今回あえて伏せておいた&詳しく書かなかった部分等を含め、その他の要素も展開する予定!
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